[ 2022年2月4日 05:30 ]
![一時消息不明の彭帥 北京五輪開会式に登場？中国にメリット 世界へイメージアップ発信 [ひよこ★]->画像>2枚](https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2022/02/03/jpeg/20220204s00028000154000p_thum.jpg)
中国の女子プロテニス選手、彭帥（ロイター）
北京五輪の開会式は4日、北京市の「北京国家体育場（鳥の巣）」で行われる。専門家の間で取りざたされているのは、中国の元副首相に性的関係を強要されたと告白後、一時消息不明となった同国の女子テニス選手、彭帥（ホウ・スイ、36）が登場する可能性だ。
現代中国の政治などを専門とする大阪工業大学工学部教授の川田進氏によると「開会式の会場のどこかにいる可能性はある」という。中国は新疆ウイグル自治区などの人権問題で国際的な批判を浴びており「開会式に登場させるメリットは大きい」と指摘する。
欧米などが「外交的ボイコット」、日本も政府関係者の派遣を見送るなど、厳しい姿勢を示す中で、川田氏によると、中国にとっては大会スポンサーや世界各国に対して、イメージアップは不可欠。「中国から全世界に発信する開会式の映像で彭帥さんの元気な姿を映すことは、明るい話題の演出にピッタリ。また、国際オリンピック委員会（IOC）のバッハ会長にとっても、彭帥さんの登場は実現させたいところだ」という。
彭帥は昨年11月にSNSで告白後、行方不明となり世界中は騒然。心配が広がる中、バッハ氏は彭帥とビデオ通話をして安否確認を行ったと発表した。強引に五輪開催に向け、騒動の火消しに走ったとして批判された。
バッハ氏は3日、北京でのIOC総会後に会見し、彭帥と北京冬季五輪期間中に会談すると明らかにした。「これまでのテレビ電話で、彼女は自由に移動でき、家族や友人と過ごしているとの説明だった」とし「彼女もぜひ会いたいとのことだった。調査を望むなら支援するが、決めるのは彼女で（当初の性被害の主張は）撤回された」と指摘した。
川田氏は「彭帥さんが開会式に来るなら関係者席に座ったり、バッハ会長の近くにいる姿をカメラに抜かせるパターンもある。公に無事をアピールしたいところでしょう」と推測する。バッハ氏は彭帥との初会談を外部との接触を遮断した「バブル」の内部になるとしており、彭帥が開会式に出席したとしても会談はこの場ではないようだ。
彭帥に関しては、IOCの記者会見で海外メディアから聖火リレーの最終点火者に起用する可能性についての質問も出るなど、五輪本番での“政治利用”に世界中が注視。バッハ氏のそばでほほ笑む彭帥の姿があるかどうかが注目される。
《聖火リレーにジャッキー・チェン》聖火リレーは2日目を迎え、北京市北部にある万里の長城の観光スポット「八達嶺」を出発し、アルペンスキー会場がある延慶を経てノルディックスキーなどが行われる河北省張家口に。中国を象徴する勇壮な世界遺産の中をランナーが駆け抜け、4日の開会式に向けムードを盛り上げた。八達嶺の広場から長城の石段などをたどる約1.5キロの行程を香港の映画スター、ジャッキー・チェン（67）ら約40人の走者がつないだ。
