近年ロシアの若者の間で流行し、多くの犠牲者を出したと言われる自殺誘発ゲーム「青い鯨」(中国語では藍鯨)が、中国にも既に広がっていると複数のメディアが報じてから、約1ヶ月が経過した。
・「青い鯨」とは
SNS上に作られたグループ内で、管理者から参加者に対して毎日与えられる課題をこなしていくうちに、徐々に洗脳状態に陥ってしまうというもの。課題は、始めは「朝4時20分に起床」「一日中ホラー映画を観る」などの遂行しやすいものなのだが、徐々に自傷行為を求めるような苦痛を伴うものにエスカレートしていき、50日目には命を絶ってしまうという過激なゲームだ。
・中国における「青い鯨」の問題点
インターネット上では、この「青い鯨」を知っていたと思われる学生の自殺を報じるニュースがいくつか報じられているが、ゲームとの関連性ははっきりとしていないようである。しかし、中国のSNS上に作られた「青い鯨」のグループでは、離脱を防ぐ目的として、女性参加者に自分の裸の写真を送信するよう強要したり、もともとは「青い鯨」とは無関係のグループが、参加者の増加を狙って便乗行為を行ったりする等、本来のゲームの目的とは逸れたところで発生している現象のほうが、それ以上に問題視されているようだ。
・おそらく中国では流行らない
このように事件化した一部の事例をニュースで見たネットユーザーたちの反応は、極めて淡白かつ楽観的である。彼らの多くが残すのは、たった一言、「宿題は?」だ。
中国の子どもたちの宿題の多さは、しばしばニュースになるほど過酷なものである。2015年に教育ビッグデータ企業「阿凡題」が「全国小中学生学習ストレス調査」で公表した結果によれば、中国の小中学生が毎日宿題に費やす時間は平均3時間で、これは世界平均の2倍、日本の4倍にあたるという。また、午後11時まで起きている学生の割合は、小学生が18.2%、中学生が46.3%、高校生は87.6%で、多くの学生の睡眠時間が7時間に満たないという。
そんな生活が続いている中では、「4時20分に起きるということがそもそも簡単ではない。」「早く起きられたら、ホラー映画なんか観ずに勉強でもするだろう。」というのが、「青い鯨」を知った人々の率直な感想のようだ。つまり、普通の若者であれば、そんなゲームに構っている暇など全くないのである。
自殺誘発ゲームに興じる時間はないとしても、日々宿題に押しつぶされるという状況は、遊びたい盛りの子どもたちにとっては非常に苦しいものだ。とは言っても、全ては一発勝負の大学入試に打ち勝つための、早期からの積み重ねであることを考えると、やめてしまえばいいとは軽々しく言えないのが実状だろう。
おそらく社会人と思われるネットユーザーたちが、「50日間の課題をこなしたら、大学入試に合格するグループを作ったらいいんじゃない?」と笑い飛ばしている様子を見て、この辛い時期もいつか終わる時が来るのだと、中国の学生たちにはどうか、ぐっと耐え抜いて欲しい。
searchina
2017-06-16 13:12
http://news.searchina.net/id/1637913?page=1
・「青い鯨」とは
SNS上に作られたグループ内で、管理者から参加者に対して毎日与えられる課題をこなしていくうちに、徐々に洗脳状態に陥ってしまうというもの。課題は、始めは「朝4時20分に起床」「一日中ホラー映画を観る」などの遂行しやすいものなのだが、徐々に自傷行為を求めるような苦痛を伴うものにエスカレートしていき、50日目には命を絶ってしまうという過激なゲームだ。
・中国における「青い鯨」の問題点
インターネット上では、この「青い鯨」を知っていたと思われる学生の自殺を報じるニュースがいくつか報じられているが、ゲームとの関連性ははっきりとしていないようである。しかし、中国のSNS上に作られた「青い鯨」のグループでは、離脱を防ぐ目的として、女性参加者に自分の裸の写真を送信するよう強要したり、もともとは「青い鯨」とは無関係のグループが、参加者の増加を狙って便乗行為を行ったりする等、本来のゲームの目的とは逸れたところで発生している現象のほうが、それ以上に問題視されているようだ。
・おそらく中国では流行らない
このように事件化した一部の事例をニュースで見たネットユーザーたちの反応は、極めて淡白かつ楽観的である。彼らの多くが残すのは、たった一言、「宿題は?」だ。
中国の子どもたちの宿題の多さは、しばしばニュースになるほど過酷なものである。2015年に教育ビッグデータ企業「阿凡題」が「全国小中学生学習ストレス調査」で公表した結果によれば、中国の小中学生が毎日宿題に費やす時間は平均3時間で、これは世界平均の2倍、日本の4倍にあたるという。また、午後11時まで起きている学生の割合は、小学生が18.2%、中学生が46.3%、高校生は87.6%で、多くの学生の睡眠時間が7時間に満たないという。
そんな生活が続いている中では、「4時20分に起きるということがそもそも簡単ではない。」「早く起きられたら、ホラー映画なんか観ずに勉強でもするだろう。」というのが、「青い鯨」を知った人々の率直な感想のようだ。つまり、普通の若者であれば、そんなゲームに構っている暇など全くないのである。
自殺誘発ゲームに興じる時間はないとしても、日々宿題に押しつぶされるという状況は、遊びたい盛りの子どもたちにとっては非常に苦しいものだ。とは言っても、全ては一発勝負の大学入試に打ち勝つための、早期からの積み重ねであることを考えると、やめてしまえばいいとは軽々しく言えないのが実状だろう。
おそらく社会人と思われるネットユーザーたちが、「50日間の課題をこなしたら、大学入試に合格するグループを作ったらいいんじゃない?」と笑い飛ばしている様子を見て、この辛い時期もいつか終わる時が来るのだと、中国の学生たちにはどうか、ぐっと耐え抜いて欲しい。
searchina
2017-06-16 13:12
http://news.searchina.net/id/1637913?page=1