
8割超が無事故や無違反=死亡事故前の3年間調査−警察庁
2018年05月03日14時27分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2018050300467&g=soc
2016年中に死亡事故を起こした75歳以上のドライバー425人について、警察庁が事故前の過去3年間の運転状況を調査したところ、8割以上が事故や違反が無かったことが分かった。
前兆がないまま起こした1回の事故が死亡事故という重大な結果につながっており、運転免許の自主返納を考えるきっかけがつかみにくい現状が浮き彫りになった。<下へ続く>
同庁は「たとえ無事故無違反でも『自分は大丈夫だ』との過信は禁物で、少しでも運転に不安を感じたら相談窓口に相談してほしい」と呼び掛けている。
同庁によると、過去3年間で無事故だったのは425人中、約84%を占める356人。事故が1回だったのは53人、2回は6人で4回も4人いた。
3年間に違反がなかったのは約85%に当たる360人で、違反1回は49人、2回は8人、5回以上が1人だった。
免許更新時などの認知機能検査の分類別でみると、425人のうち「認知症の恐れ」は全体の8.0%(34人)、
「認知機能低下の恐れ」42.4%(180人)、「問題なし」は49.6%(211人)。いずれの分類についても、過去3年間で8割以上は事故も違反も確認されなかったという。
確認された違反の内訳をみると、指定場所での一時不停止が多くを占め、信号無視もあった。
一方で、シートベルト装着義務違反など加齢に伴う身体機能の低下と因果関係があるとは考えにくいケースも多いという。
75歳以上の認知症対策が強化された改正道交法が施行された昨年3月から同年末の間、「認知症の恐れ」と判定されたのは4万6911人に上り、医師の診断後に免許の取り消しや停止となったのは1351人。
昨年1年間の75歳以上の免許の自主返納は、過去最多の25万3937人だった。