「ガンダムは僕らに向けたものじゃない」10代のリアルな言葉に衝撃を受けて──『機動戦士ガンダム 水星の魔女』岡本拓也プロデューサーインタビュー前編
2022年10月09日 16:00
10代の「ガンダムは僕らに向けたものじゃない」の言葉が刺さりました
――本作はガンダムのTVシリーズとしては7年ぶりの新作となります。まずは、制作に至った経緯について教えてください。
岡本 私自身が『水星の魔女』に関わり始めたのは2020年の初春頃でしたが、次のガンダムとしてこのプロジェクトの話が出始めたのは2018年頃だったと聞いています。ガンダムの50周年、60周年に向けて、次の世代に向けた作品を作りたい、というところからスタートしたそうです。そして、2020年になって「女性を主人公としたガンダムをやってほしい」と話をいただきました。
――最初の段階からターゲットのボリュームゾーンは若い年代を考えていたと?
岡本 そうですね。今までの、宇宙世紀以外を舞台にしたガンダム作品は、基本的にはティーン層に向けた作品という印象が強かったので、この作品もそこに向けたものだろうと考えていましたし、オーダーとしてもありました。
――学園を舞台として始まるのも、そういったターゲットを意識したところがあったのでしょうか?
岡本 これまでも学校が登場するガンダムはありましたが、少年兵からスタートするとか、初手からシリアスな作品が多かったと思います。今回の『水星の魔女』も、ストーリーを考える上で何回か転換点があって、最初は結構重いところからスタートする内容だったんですね。でも、ちょうどその頃に、社会科見学で来た10代の子たちから話を聞くタイミングがあったんです。そうしたら「ガンダムは僕らに向けたものじゃない」「(タイトルに)ガンダムとついていたら見ません」と言われて……。
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